2012年11月29日木曜日

中国のモバイルインターネット 世界平均上回る成長率(2012年)

チャイナプロジェクトの樋笠です。日本でも急速な普及が進むスマートフォン。中国での市場成長率は世界平均を大きく上回っているというニュースです。格安のスマートフォン機器の存在だけではなく、「90後」の行動様式も一因になっているという分析です。以下、人民網記事より。
 
中国のモバイルインターネット 世界平均上回る成長率
 
 モバイルインターネット研究連盟(AMIR)は北京でこのほど初の年度研究報告書を発表した。それによると、中国におけるスマートフォンの市場成長率は世界平均を大きく上回った。中国独特の都市化プロセスおよび中国社会の高い人口流動性が、モバイルインターネットの高度成長を促す社会的基盤となっている。この高い流動性は今後もしばらくの間続き、モバイルインターネットの持続的な発展を推進する原動力となると見られる。中国新聞網が伝えた。
 
 モバイルシステム調査機関の友盟が発表したデータによると、AndroidとiOSの今年の世界平均市場成長率はそれぞれ33%、12%だったが、中国ではこの割合が159%、87%だった。アプリ市場を見ると、今年第2四半期の中国市場における成長率は870%と、世界平均を大幅に上回った。
 
 友盟の蒋凡CEOはこれについて、「表面的な理由としては、1千元代の格安スマートフォン普及により、モバイルインターネットの敷居が下がったということが挙げられるが、深い理由としては中国の持つ社会的基盤が挙げられる」と指摘する。
 
http://www.cww.net.cn/zhuanti/html/2011/10/31/201110311417434578.htm
 
報告書によると、調査の結果、「80後(80年代生まれ)」、「90後」のAndroid携帯ユーザーのうち、60%以上が自分の故郷に住んでいないと答え、「70後」、「60後」、「50後」を大きく上回った。この数字から重要な社会的背景が見えてくる。すなわち、中国の「80後」、「90後」はモバイルインターネットの主要ユーザーであるだけでなく、ここ10年間にわたり、世界でもめずらしい都市化のプロセスを体験してきた世代なのだ。
 
 蒋CEOは「過去10年で、2億人の中国人が農村から都市へと移り住んだ。大部分は青年・若者だ。このほか、戸籍に登録されていない都市人口や半都市化した人口もいる。中国独特の都市化プロセスにより人口の流動性が高まり、定期的な都市・農村間の流動、都市拡張による通勤時間の増加、ますます頻繁になる旅行と出張などにより、モバイルインターネットの成長を後押しする確固とした社会ニーズが形成された。これが中国と欧米諸国で異なる点であり、中国のモバイルインターネットの成長が世界平均を上回った根本的な理由とも言える」と指摘した。(編集SN)
 
 「人民網日本語版」2012年11月26日
http://j.people.com.cn/94476/8034641.html
 

2012年11月27日火曜日

北京最大級のアニメ博「国際動漫博覧会2012」12月より北京で開催


チャイナプロジェクトの樋笠です。開催延期となっていた「国際動漫博覧会(ICAC北京2012)」が来月12月1日より北京で開催されます。

国を挙げて文化芸術、とくにアニメ産業に注力する中国。今回の博覧会は「日本館」も出展され、手塚治虫、さいとうたかを、エヴァンゲリヲンなどの複製原画展のほか、静野孔文監督をゲストに招いたイベントも予定されているようです。


 
 
北京最大級のアニメ博、来月1日から開催 日本も出展
http://j.people.com.cn/94473/8036293.html 「人民網日本語版」2012年11月27日
 
 北京最大級のアニメ見本市「国際動漫博覧会(ICAC北京2012)」(主催:中華人民共和国文化部、中国人民対外友好協会など)が来月1日から9日まで、北京の蟹島国際会展センターで開催される。両国関係の冷え込みで参加が危ぶまれていた日本からの出展も決まった。「新京報」が伝えた。
 
 「北京に集まってアニメを楽しもう」をテーマとした同博覧会は、中国と海外のアニメ産業の業界関係者に交流と協力の場を提供するのが狙い。米国や日本、フランス、韓国、中国大陸部・台湾地区などからアニメ出版社約30社、アニメ製作会社約50社が参加し、アニメ映画約20本、短編アニメ約50本、関連商品約3000種類を展示する。
 
 このほか、世界的に有名な漫画家やアニメ映画の脚本家、監督、声優、歌手、アニメ産業の専門家・学者ら計20人余りが参加し、講演会や交流イベントを精力的に行う。
 
 同博覧会には、中国パビリオン(中国大陸部と台湾地区)、欧米パビリオン、韓国パビリオン、映画パビリオンなど5つの展示館が設置される。展示内容は、中国でアニメを学ぶ学生の作品展や世界漫画展(欧米の有名漫画作品展)、中国アニメ成果展、中国で20世紀初頭に発行された連続絵物語「連環画」(れんかんが)展、台湾漫画展、世界動画短編放映展など。
 
 日本の出展企業は「手塚治虫複製原画展」、「さいとう・たかを複製原画展」、「EVA原画展」、エヴァンゲリヲン地球一周スタンプラリーなどを開催予定。漫画家のサイン会などは中止となった。
 
 
国際動漫博覧会(ICAC北京2012)
日本館の出展ブース
http://2012icac.com/exhibitors/
 
秋田書店
一迅社
学研マーケティング
角川グループパブリッシング
講談社
小学館
祥伝社
少年画報社
スクウェア・エニックス
竹書房
双葉社
マッグガーデン
メディアファクトリー
リイド社
手塚プロダクション
アニメイト
グッドスマイルカンパニー
Animation Internationa
 

2012年11月21日水曜日

いまこそ中国4.4億人の新興富裕層を通販で狙う

チャイナプロジェクトの樋笠です。中国の指導部も新体制となり、日本でも総選挙を控え、次のステージへと時代が移っていく実感があります。

尖閣問題以降の日中関係ですが、市場としての中国市場の魅力は、今後ますます存在感を増すと考えられています。中間所得層が増加し国民所得の倍増を最重要政策に掲げているからです。そんな中、リスクを見据えて中国市場を狙っていくには、最少資本での通販参入も有力な方法のひとつです。そのための有効なマニュアルをご紹介します。
資金100万円、3ヶ月で中国通販を立ち上げる!
 本書は、通販専門のNo.1コンサルタントが、巨大化した中国市場を通販で攻略する具体策を提示した注目の書です。
 バブルが崩壊すると言われ続けながら、今なお10%前後の成長が続く中国は、もはや工場ではなく日本を越える“巨大市場”に育っています。
 著者の白川氏は、「リスクを最小限に抑えながら、この成長市場を取り込むには“通販”が最適」と断言。自ら現地に拠点を構えながら、多くのクライアントと同行し、資金100万円、わずか3ヶ月で中国通販の売上をあげ、確実に収益の柱に育てていく実務・実践ノウハウを、中小企業経営者のために初めて公開するものです。
 停滞が続く日本国内市場だけで事業を行うのか、成長が著しい中国・アジア市場も上手に“顧客・取引先”として取り込むのか… 社長のみならず、営業担当長、後継者が、第二繁栄を実現する実用の書として、本書のご購読を心よりお薦めします。


本書の概要
通販専門のNo.1コンサルタントが、巨大化した中国市場を通販で攻略する具体策を公開した注目の書 !
空理空論一切なし! “チャイナリスクを最小限”に抑えながら、売上は確実に上げていく実務と手順を、多くの写真・図表を交えながら分かりやすく提示。
停滞する日本市場に閉じこもるな──  成長が著しい中国・アジアを自社商圏とし、ケタ違いの繁栄を築く実用書として、社長・後継者のために緊急発刊!
◎本文総ページ数356ページ
◎本体サイズ A4バインダー
◎ ISBN  978-4-89101-308-0
目次
Ⅰ【基本戦略篇】いまこそ中国4.4億人の新興富裕層を通販で狙え
中国は、世界の「工場」から「市場」に大変貌した
消費の爆発が目前の中国/2010年にGDP一人当たり4,000ドルを超えた/4.4億人の中間層から「新興富裕層」が出現する/日本の国内市場だけでは繁栄できない/オールメイドインジャパンの強み/いまこそ、中小企業の出番だ/今からでは遅すぎないのか?/ニッチ商品の出番がくる
◆「近さ」を実感せよ
1泊3日間の香港出張/東京~大阪より近い巨大有力市場/中国市場を「外需」ではなく、「内需」の延長線上でとらえよ
◆地方中小企業「味千」の快進撃
中国外食産業ベスト4位に入った熊本のラーメン店/ウインウインの関係/白川博司の中国進出戦略ポイント
◆新たな有力販路「EC市場」の急拡大
世界2位の中国ネットユーザー人口/日本のEC売上を超えそうな中国/年々激変するネット環境
◆予想されるチャイナリスクの最小化とチャンスの最大化
「性悪説」「拝金主義」で片づけるな/ほとんどの初歩的判断ミスは、事前準備でカバーできる/「血縁」「地縁」「業縁」で動く中国ビジネス/本格的なビジネス展開とチャイナリスク/リスク最小化・チャンス最大化の3段階戦略
◆まずは資金100万円、最短3ヶ月で中国売上をつくれ
STEP1のポイント/STEP 2のポイント/STEP3のポイント

Ⅱ【進出準備篇】
◆成功への心構え
銭儲けの嗅覚と執念/現地に行く前の調査も社長自身で行う/中国人を好きになる/先入観念を捨てる/三つの縁に強くなる/業縁をつなぐ中国進出支援サービスの活用/チャンスは現地にあり/即断即決が求められる中国ビジネス/イエスかノー、二者択一の中国ビジネス/即断即決できるためのポイント/見切り千両
◆中国の新興富裕層に何が売れるか
高額品を買うことが成功者の象徴/中国人観光客の消費行動/中国で売れている日本商品ベスト5/商品別の「売れ筋」価格はいくらか/中国人好みとは/規制があるか
進出支援の公的サービスを活用する
◆ジェトロ(日本貿易振興機構)を活用する/ジェトロの中国ビジネス支援サービスの内容/ジェトロの上手な利用法/「友好都市」を結んでいる地方自治体の支援サービス/長野県飯網町サンクゼールの事例/友好都市提携以外でも拡がる地方自治体の中国ビジネス支援/物産展・見本市への出展心構え/各地の商工会議所の中国ビジネス進出支援/その他の公的中国ビジネス支援/中国ビジネスへの公的助成金
◆民間の「中国ビジネス進出支援」
玉石混交の支援サービス/和僑会/中小企業経営者の本音を知る和僑会の人脈/中小企業集団だからこその長所と短所/その他の支援企業

Ⅲ【STEP 1】短期進出実戦篇
【STEP 1】の実戦ポイント
白川流「中国進出」の手順と実戦ポイント/資金100万円、最短3ヶ月で売上をつくる/最初の1ヶ月でやるべきこと/現地入り2回で成約が原則/2ヶ月目の実戦ポイント/3ヶ月目の実戦ポイント/社長が専念できるための内部体制づくり/右腕選びの留意点/中国ビジネス現地体制の原則/白川博司の【STEP 1】実戦アドバイス
商品提案書の上手な作り方
「商品提案書」と「商品説明書」は必須ツール/「商品説明書」の具体的な作り方/商品説明書の作成ポイント/「商品提案書」の具体的作り方/中国語への翻訳をどうするか/S社の「商品説明書」「商品提案書」の実物見本
現地商談・営業活動の実戦ポイント
商談に臨むときの2つの基本原則/「何に役立つか」「顧客ターゲット」をズバリ打ち出す/決済条件・物流条件を確認する/独占契約権に要注意/拡販のための蛇口作戦/日本での年商の6倍が視野に=B社の事例/先方からの新たな提案/中国人との付き合い方/接待の宴席でのマナー/何でも自社でやらない
現地法人設立の実戦ポイント
中国進出の第一拠点は香港に/【白川流】現地事務所の最速開設法/主要都市のオフィス家賃事情/現地法人設立手続きの実際/法務は「郷に入っては郷に従う」が基本/中国の税務/「白川流」中国人スタッフ採用

Ⅳ【STEP 2】通販拡大実戦篇
【STEP 2】の実戦ポイント
白川流「中国通販戦略」の手順と実戦ポイント
◆なぜいま中国通販なのか
通販ビジネスを理解する/5つの通販チャンネル/いま中国通販メディアの勢力図はどうなっているのか/中国通販成功のカギは「BtoB」「BtoC」併用「メディアミックス戦略」
◆中国におけるカタログ通販の現状
成長をつづける中国のカタログ通販/「80后」対象で株式上場した「麦考林」/健康食品・美容用品中心の小康之家/富裕層向けの彩購/日本商品を積極的に取り扱う「毎日通販」/女性下着中心の上海Venus Veil
◆中国におけるTV通販の現状
ドイツ車やマンションまで超高額商品も売れる/上海ラジオテレビ局「東方CJ」(上海市)/その他の有力TVショッピングチャンネル
中国におけるインターネット通販の現状
まさに黎明期のインターネット通販「BtoC」市場/日本商品専門のショッピングモール/中国でのリスティング、バナー広告の効果実例
各通販メディアの客層と売れ筋の違い
TV通販とネット通販の主な違いは何か
【白川流】中国通販拡大戦略
当面の通販卸業者との「BtoB」で売上1億円を狙え/ネット通販への本格的な取り組み/ネット通販進出4つのポイント/運転資金余裕を忘れない

Ⅴ【STEP 3】アジア飛躍篇
【STEP 3】実戦ポイント
【白川流】アジア拡大戦略の実戦ポイント
◆「次の有望市場」はアジア
消費爆発が間近の東南アジア市場/東南アジア主要国での売れ筋商品の実感価格
東南アジア主要国の通販事情
ネット通販がアジア各国で動き出した/タイの通販事情/ベトナムの通販事情/インドネシアの通販事情/フィリピンの通販事情/シンガポールの通販事情/マレーシアの通販事情/DM先として活用できる東南アジアの日系企業電話帳
アリババ「ワールドパスポート」の活用
アリババ「ワールドパスポート」でアジアに進出する/中小企業のワールドパスポートによる海外販路開拓事例
日本通販王国(JTK)プロジェクト
チャイナプラスワンを狙う新たな通販プロジェクト/日本通販王国(JTK)シリーズ/四方事務所について
中国/アジア通販関連企業・団体一覧
中国通販関連協力企業・団体 【香港】/【北京】/【上海】/【広州】/【深セン】/【大連】/【その他の都市】/タイ通販関連企業・団体/シンガポール/ベトナム/インドネシア/日本

Ⅵ【実戦資料篇】
◆商品説明書の実物見本
・医療機器:H社の「携帯心電図」商品説明書(4頁仕様)
・酒:N酒造の商品説明書がわりの「商品一覧表」
・洋菓子:S社の「ラスク」商品説明書
・加工食品:H社の「播州そうめん」商品説明書
・加工食品:N社の「ゆで卵」商品説明書
・加工食品:H水産の「数の子」説明書(手書き)
◆商品提案書の実物見本
・カバン袋物:Y社の「人気バッグ」商品提案書
・ファッション衣料:M社の「3大ブランド」商品提案書
・健康食品:N社の「ダイエット飲料」提案書
・洋菓子:S社の「ヒット商品」提案書
◆中国の税制概要
企業所得税/個人所得税/増値税/営業税・消費税
日本郵便EMS中国宛料金表

<著者紹介>
著者/白川博司 (しらかわ ひろし)氏について
 通信販売のカリスマコンサルタント。
 メーカー、加工業、卸・問屋、住宅、小売、旅行、サービス業、病院…あらゆる業種業態において、通信手段を駆使した新しい売り方、顧客・取引先開拓、売上増大法を指導。これまで300社以上の通販事業立ち上げに携わり、軒並み成功させてきた斯界の第一人者。通販部門ゼロからのスタートで、初年度新規売上1億円、次年度2億円、5億円、10億円…と、まさに倍々成長を実現。中には、わずか5年で売上30倍増の100億円を突破させるなど、「実益のコンサルティング」を展開し、さながら救世主的な支持を得る。
 指導先とは原則「半年間契約」「月1回、2時間の時給制指導」と、みずから成果勝負の場に身を置くも、その実績から北は北海道から南は沖縄まで月間数十社以上、まさに東奔西走で指導先を回る超多忙の毎日。一度請け負ったからには必ず「こうすれば売れる」方法を、身銭を切ってでも開発。自ら通販の第一線に絶えず身を置きつづけ、豊富な人脈を駆使して新たな糸口をみつけ出す「絶対に逃げない」情熱的な指導スタイルは、経営者から絶大な評価を博している。
 近年は「中国は内需」という持論を展開、急発展する中国市場、アジア市場への通販進出に傾注している。中国経済の減速が懸念されても、「日本市場の停滞を考えれば、中小企業が成長していくためには、中国・アジアの成長余力を取り込むしかない」と断言。すでに香港事務所のほか、深セン、大連にも連絡事務所をおき、国内販売の手詰まり感に悩む中小企業の有望販路開拓のために、新たに中国・アジアの成長力を、通販によって取り込む実戦的な成功策を指導する。
 1994年四方事務所設立、現在同所所長。1945年生まれ。 主な著書に、「通販成功マニュアル」(日本経営合理化協会刊)、「仕組みで売る技術」(ビジネス社刊)、「巨大化した中国市場への通販実践法」(四方事務所刊)がある。

2012年11月16日金曜日

為替デリバティブの巨額損失から破綻に至った技術系ベンチャー


チャイナプロジェクトの樋笠です。iphoneに部品が採用されて中国の製造拠点も展開したマザーズ上場のシコー株式会社。超小型モーターの開発企業として順風満帆だったハイテクベンチャー企業でしたが、2007年の為替デリバティブ取引の巨額損失によりつまずき始めました。

2008年12月期には23億円超の当期純損失を計上。今年8月、経営破綻となり民事再生申請となりました。支援の名乗りを上げたミネベアとも、債務不履行を理由にスポンサー契約を解除したことが11月14日に発表されました。以下、9月5日当時のJcastニュース記の事から引用します。
 
 

米アップルに見放されて破たん、上場廃止 携帯「マナーモード」生みの親のシコー

http://www.j-cast.com/2012/09/05145339.html?p=all
 
携帯電話のバイブレーター用の精密小型振動モーターを開発するなど携帯電話向けの受注で業績を伸ばしてきた「シコー」が、東京地裁に民事再生法の適用を申請して破たんした。負債は2012年7月末時点で約85億945万円。9月11日には、東証マザーズを上場廃止になる。
 
   小型振動モーターで実績を積んだ同社は、米アップルのスマートフォン「iPhone」に採用されたことで2010年12月期には過去最高の約140億円の売上高を計上したが、そのアップルに見放されて資金繰りが悪化した。
 
■アップルからの受注で10年12月期には過去最高の売上高
 
シコーは1974年6月に創業。携帯電話のバイブレーター用の精密小型振動モーターを開発した「マナーモード」の生みの親で、携帯電話向けの受注で業績を伸ばした。中国にも進出し、同社が開発と設計を担当。製品は中国の子会社が生産した。
 
   東証マザーズには、2004年8月に上場。翌年には携帯電話のカメラに搭載し、焦点を合わせるのに使う「AFLモーター」の低価格化に成功し、アップルなどスマホ大手に販売を伸ばした。
 
   躓きは、2007年に手を出した「為替デリバティブ」にある。リーマン・ショック以降の急激な円高進行で評価損を抱えるようになり、断続的な赤字決算の要因となっていた。
 
   アップルからの受注で10年12月期には過去最高の約138億円の売上高を計上したものの、同社はその後もアップルからの大量受注に備えて中国・上海工場で労働者を大量に確保していた。
 
   ところが、11年9月にアップルが「iPhone4」をモデルチェンジした際に、同社は受注を打ち切られてしまう。上海工場は大規模なリストラを余儀なくされ、その結果、11年12月期の売上高は104億5700万円にダウン、最終損益は31億6900万円の赤字に転落した。
 
   最近では量産技術や価格競争で、中国や韓国勢に激しく追い上げられていたこともある。
 
   創業者でもあるシコーの白木学社長は、いわゆる「技術屋」で開発一筋の人。とはいえ、為替デリバティブに上海工場の人件費の上昇と、いずれも経営陣が先行きを読み間違えたことに変わりはない。

 
■アップル株は高値で推移
 
   シコーのスポンサーに名乗りをあげたのは、極小ベアリング製造のミネベア。ミネベアは2012年5月に、韓国の小型精密モーターのモアテックを買収。シコーはそれに続くもの。

   ミネベアはシコーから「AFLモーター」の製造を譲り受け、主力のモーター事業を拡大。シコーの国内の従業員約60人も引き継ぐほか、生産拠点の中国工場での製造はミネベアの関連会社の工場に移管する見通しだ。

 

2012年11月15日木曜日

中国:王岐山氏ら7名が政治局常務委員会に選出


チャイナプロジェクトの樋笠です。2012年11月15日、第18期中央委員会第1回全体会議が開催されました。政治局常務委員のメンバーも今までの9人体制から7人になったようです。金融政策のキーマンである王岐山氏が、中央紀律検査委員会書記にも就任したのが注目されますね。

以下ブルームバーグの記事より引用します。
 
http://j.people.com.cn/94474/8021004.html

 
中国新指導部の横顔:王岐山、兪正声、張徳江、張高麗氏ら
 
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MDGP546S972901.html
 
11月15日(ブルームバーグ):中国共産党は15日の18期中央委員会第1回全体会議(1中全会)で、最高指導部である政治局常務委員会の新たな陣容を発表した。常務委員は従来の9人から7人に減った。

総書記に選出された習近平国家副主席と李克強副首相以外の常務委員の横顔は以下の通り。

王岐山氏:現在は金融セクターを監督する副首相で、ガイトナー米財務長官の直接の交渉相手。ガイトナー長官は2009年に王氏(64)を「最終的に物事をまとめ上げる卓越した調停役で、火消し役で問題の解決者でもある」と評した。1998年の同国投資会社の破綻や、2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)の流行などの危機の際に問題を解決して高い評価を受けた。王氏は常務委員会で唯一、銀行経営を経験しており、これまでに同国2位の銀行、中国建設銀行を率いたほか、中国人民銀行(中央銀行)の副総裁を務めた。夫人は故姚依林元副首相の娘。

兪正声氏:エンジニア出身の兪氏(67)は以前、建設相を務めた。07年に習近平氏の後を継いで上海市共産党委員会書記に就任した。
 
張徳江氏:重慶市共産党委員会書記。電気通信やエネルギーなどの産業を担当する副首相を務める。薄熙来氏の失脚後、重慶委員会書記に指名された。北朝鮮の金日成総合大学に留学した経験を持つ。

張高麗氏:07年から天津市共産党委員会書記。天津市では、新たな金融センターを中心に急拡大するインフラ支出を監督した。1970、80年代には中国南部で石油業界で働いた。
 
劉雲山氏:02年から共産党中央宣伝部長。国内のテレビやラジオ、新聞、出版社、インターネット企業を監督。内モンゴル自治区と北京でキャリアを積んだ。

 

2012年11月12日月曜日

愛国心で理性を停止させるな 亀井静香 (月刊日本)


おはようございます、チャイナプロジェクトの樋笠です。石原慎太郎氏の尖閣問題に関する発言や、対外強硬論を煽る大手マスコミの論調に警鐘を鳴らす亀井静香氏のインタビュー記事です。
 
 
愛国心で理性を停止させるな 亀井静香
 
10月 23rd, 2012 by 月刊日本編集部. http://gekkan-nippon.com/?p=4456#more-4456
 
 
 
石原慎太郎氏は過激な論を控えるべき

 
―― 尖閣諸島をめぐる日中の対立が激しくなっている。領土問題は国家にとって極めて重大な問題だが、最近のマスコミ論調には、国民の愛国心を過剰に煽るようなものが目につく。
 
亀井 動物が縄張り争いをするのが本能的なものであるのと同様、人間の場合も、領土を守るのは本能的なものだが、人間はそこに知恵を出さなければいけない。
 たとえやっかいな隣国があるからといって、国は引っ越しすることなどできない。お互いにずっと隣国として生きていかなければならない。
 
 隣の家の木が伸びて、自分の家に枝が垂れてきて、枯葉が庭に落ちたとしよう。このとき、隣の家に怒鳴り込んだらどうなる。隣の家との関係は悪くなる。枯葉が落ちたからといって、いがみ合うより、お互いに相手の木を褒め合うような気持ちを持ってこそ、隣同士は仲良くできるのだ。国家間の関係だって同じことだ。領土をめぐる対立があったとしても、うまく共存することを考えなければならない。人間はそれくらいの知恵を出すべきものだ。
 
―― 他国の間違った主張に反論し、わが国の主張を唱えることはもちろん必要だ。しかし、好戦的、排外的な主張をすることが果たして愛国なのか。弊誌は創刊の辞において、「偏狭なナショナリズム」を戒めたが、自国に対する誇りを噛み締め、尊敬される国になるべきことを説く愛国心こそが求められているのではないか。
 
亀井 国を愛するというのは、当たり前のことだ。誰もが持っている感情であり、いちいち取り立てて言うようなことじゃないし、一部の保守派言論人たちだけが独占するようなものじゃない。

 自分たちの郷土を素晴らしいところにしていくために努力することが愛国だ。「国の中身」をどうするかが最も大切だ。国は器。中身のない空っぽの器には意味がない。ナンセンスだ。

 「愛国心だ、愛国心だ」と、ことさらに強調されるときには、何かよこしまな意図がある場合が多い。かつて、日本は愛国心を煽り、理性的な思考を停止してしまった。戦前の政府は、愛国という、誰も抵抗できない言葉でその政策を正当化、美化し、人びとを戦争に駆り立てた。政府に従わない人間に「あいつは愛国心がない」と批判した。
 
―― 対外強硬論を煽るマスコミは、「政府は弱腰だ」と批判して国民の強硬論を煽った。
 
亀井 一九〇五年九月、日露戦争後の講和条約締結の際、マスコミは対露強硬論を煽り、講和条約に調印した小村寿太郎外相を弱腰と批判した。『朝日新聞』(一九〇五年九月一日付)は「小村許し難し」とまで書いた。九月五日に日比谷公園で行われた集会をきっかけに、暴徒化した民衆は内務大臣官邸などを襲い、小村邸には石が投げ込まれた。一度ナショナリズムに火がつくと、理性的な判断ができなくなる。

 政治家がマスコミの強硬論に乗ることは簡単なことだ。しかし、国家の指導者たるものは常に冷静に知恵を出していかなければいけない。ところが現在、指導者自らがお互いの国内事情でナショナリズムを煽りまくっている。

 石原慎太郎都知事も過激で極端な論を展開するのは控えるべきである。

 

2012年11月9日金曜日

第18回全国人民代表大会(全人代)が開幕:中国北京


チャイナプロジェクトの樋笠です。昨日2012年11月8日、中国共産党の第18回全人代が開幕しました。11月14日までの計7日間開催されます。いわゆるチャイナ9と呼ばれる中央委員会の人事が注目されていますね。




第18回党大会の会期と議事日程
http://j.people.com.cn/94474/8010443.html

中国共産党の第18回全国代表大会(党大会)の蔡名照報道官は7日午後に人民大会堂でプレスブリーフィングを開き、第18回党大会の議事日程などについて国内外の記者に説明した。
 第18回党大会は8日午前9時に北京の人民大会堂で開幕し、11月14日までの計7日間開催。7日午後の準備会議で大会議事日程を決定し、大会主席団を選出した。大会は主席団の指導の下で進められる。
 準備会議で決定した大会の議事日程は第17期中央委員会の報告の聴取ならびに審議、中央紀律検査委員会活動報告の審議、中国共産党規約(改正案)の審議ならびに可決、第18期中央委員会選挙、第18期中央紀律検査委員会選挙。

 「人民網日本語版」2012年11月8日
http://j.people.com.cn/94474/8010443.html


2012年11月4日日曜日

2012フィギュアスケート中国杯(世界花样滑冰大奖赛)


チャイナプロジェクトの樋笠です。

浅田真央と町田樹が優勝を飾ったフィギュアスケート中国杯(上海)。無事に開催されて良かったですし、日本人選手への声援も大きかった様に感じました。
日本ではシングルスが人気ですが、開催国の中国では、中国人選手が多く出場しているペアやアイスダンスの人気が高いようです。(ポスターや中国のサイトをご覧ください)。






http://www.228.com.cn/ticket-8808050.html

●公式サイト
http://www.cupofchina.net/