2012年10月13日土曜日

野田よ、あなたに感謝したい人がいる(人民日報)

こんにちは、チャイナプロジェクトの樋笠です。

尖閣問題に関する日本政府批判の記事が連日多い人民網(ネット版人民日報)ですが、そろそろ怒りを通し越したかネタも尽きたのか、褒め殺し記事を掲載しています。

大学教授の真面目な記事ですが、冗談好きの中国人らしいユーモアが感じられます。
呼び捨てですが(笑)。



野田よ、あなたに感謝したい人がいる
http://j.people.com.cn/94474/7971835.html


 野田よ、あなたが中国側の断固たる反対を顧みず、本来あなたたち日本のものではない釣魚島(日本名・尖閣諸島)の購入に固執したために、中国政府と中国民間は強く憤り、一連の反撃措置を講じ、中日関係は大いに冷や水を浴びせられた。今や釣魚島は中日関係の洋上の溝となった。中日間の政治、経済関係には深刻な後退の兆候が見られ、中国側は両国の国交樹立40周年記念活動を延期(事実上の中止)し、中国での日系車の生産・販売は急激に落ち込み、中国人の日本観光はにわかに冷え込んだ。(文:宋栄華・外交学院客員教授。環球時報掲載)


 9月11日から現在にいたるまで、中日両国は政府から民間まで釣魚島をめぐる争いを複数の戦線で展開している。騒ぎは二国間から国連へと拡大し、世界の大国関係における今年最も視線を集める悪い事件となった。


 島購入の茶番劇を振り返ってみると、日本は一体これで何を得たのか?中国は釣魚島の領海基線を公布し、東中国海の大陸棚確定案を国連に提出し、海洋監視船と漁業監視船を釣魚島から12海里の領海に派遣することで、釣魚島に対する日本の実効支配を打破した。実に皮肉なのは、少なからぬ「部外者」が中日の張り合いから利益を得たことだ。彼らは「野田、ありがとう!」と言いたいのではないだろうか。


 まず、米国が「野田、ありがとう」と言いたいだろう。米国は中日の対峙を利用して引き続きバランサーとリーダーの役割を演じ、東アジア情勢を操ることができるからだ。日本は安全保障上米国への依存を深めただけでなく、経済上、さらには国民心理上も米国への傾倒を深め、それによって大和民族の民族としての自信もさらに弱められた。中国も米国が一方の肩を持つことをできる限り阻止すべく、対米工作を行う。米国は中日両国に対してより多くの戦略カードを手にしたのだ。

 


次に、欧州も「野田、ありがとう」と言いたいだろう。欧州は米国のようにグローバルな地政学的戦略を重視してはいないが、中国市場という大きなパイは凝視している。欧州にとって日本と米国はこの市場における力強い競争相手であり、日本が自ら撤退すれば、喜んでその隙間を埋め、少しも惜しまず野田に心底感謝するだろう。中国市場におけるトヨタ、日産、ホンダの挫折は、ベンツ、BMWなどにとってはたちまちチャンスに変わる。


 さらに韓国やロシアなどの周辺国も「野田、ありがとう」と言うだろう。日本は中国と戦わなければならないが、日本の力量では四方を敵に回すことはできず、韓国やロシアなどとの争いを緩和するか停止するしかないからだ。なれなれしく取り入る必要すらあり、こうした国々への圧力は緩和される。たとえばロシアは南クリル諸島に対する主権掌握をより悠然と強化できるし、韓国もこれを機に独島の支配を強化できる。実際に、韓国とロシアはすでにそうし始めている。日本はASEAN諸国もなおざりにするわけにはいかず、反対させないためには、どうしても「口止め料」を払わなければならないだろう。


 このほか、中国国内にも「野田、ありがとう」と言う者がいるだろう。中国人民の目を開かせたうえ、中国国内にいる元々日本を好きでない者たちに日本を糾弾し、罵り、ボイコットする新たな理由を与えたからだ。


 野田よ、あなたはよく考えたほうがいい。中国人の「腹いせの対象」にむざむざとなってはならないし、事実上日本の利益を売り渡す者にはなおさらになってはならないのだ。(編集NA)


 「人民網日本語版」2012年10月10日

http://j.people.com.cn/94474/7971835.html

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